2002年3月、中国・長春で国営テレビ局の電波が乗っ取られるという前代未聞の事件が起きた。事件後、関係者を探し出すための大規模な捜索が始まり、コミック・アーティストの大雄（ダーション）は故郷を離れることを余儀なくされる。なぜ彼らは命を懸けてTVジャックを行ったのか。事件から20年後、大雄は生存者たちの証言を自らのペンで描き起こし、当時の自身の記憶と重ねながら、その行動の意義を探る。動揺を抑えながら淡々と語られる目撃者の証言に合わせて、大雄の絵コンテが息づく、稀有なアニメーション・ドキュメンタリーである。

監督は、米国のピーボディー賞を受賞し、カナダ・スクリーン賞に4度ノミネートされた映画制作者ジェイソン・ロフタス。ドキュメンタリー、アニメーション、バーチャル・リアリティなど幅広い制作を手掛ける。映画は2022年3月の初上映以降、50以上の映画祭で上映され、AIB国際放送協会ベスト歴史ドキュメンタリー賞、Hot Docs観客賞、など27の賞を受賞。2023年にはアカデミー賞のカナダ公式推薦作品に選ばれ、カナダ、台湾、オーストラリアなど12カ国以上で劇場公開。台湾では6週間にわたる上映で公開初日に興行収入第4位を記録し、北米では2022年の国内興行収入トップ25、国際興行収入トップ10に入った。

本作はBBC、Arte（フランス／ドイツ）、アルジャジーラ、CBC（カナダ）など世界主要テレビ局とも契約を結び、国際的に高い評価を得ている。Rockie Awards 2023では1000以上のエントリーから審査員大賞とベスト社会問題・時事賞を受賞し、HBOの『ユーフォリア』やBBCのデービッド・アテンバラ最新作などを抑えての快挙となった。アニメーションと証言が織りなす本作は、検閲と弾圧の環境下において「声を上げる」ことの重さと希望を静かに問いかける。

映画上映後、コミックアーティストの大雄のトーク会・サイン会が開催されます。
※当日、数量限定で大雄（ダーション）の画集（1冊5000円）を販売します。お買い上げの方に 大雄  が会場でサインをする予定です。

プログラム：
１８：００　開場
１８：２０　開始の挨拶
１８：３０　映画上映開始（８５分）
１９：５５　舞台挨拶（大雄氏・通訳付）、※質疑応答の時間も設けます
２０：２５　サイン会　※サイン会参加されない方は、ここで退場
２０：５０　終了

----ゲスト----
大雄（ダーション）

東京コミコンのアーティストアレイ（AA）にFlag Art Studios （Daxiong）として出展。
中国・長春出身のコミック・アーティスト。現在カナダ在住。『スター・ウォーズ コミック』Dark Horse出版（アメリカの大手出版社）、『ジャスティス・リーグ』（DCコミックス出版）などのイラストを描く。著名作家・金庸（きんよう）による武侠小説の挿絵も描いている。