ソヴィエトの独裁者スターリンの国葬、国民を扇動した粛清裁判――そしてホロコーストの現場。
その時代(とき)、群衆は何を見つめていたか。
カンヌ国際映画祭二冠、近作10作品全てが世界三大映画祭に公式選出されたセルゲイ・ロズニツァ、待望の日本初公開。
【上映作品】
『国葬』2019|オランダ、リトアニア|原題:State Funeral|135分
スターリンの国葬を捉えた大量のアーカイヴ・フィルムを基に制作したドキュメンタリー。67年の時を経て蘇った人類史上最大級の国葬の記録は、独裁者スターリンが生涯をかけて実現した社会主義国家の真の姿を明らかにする。
『粛清裁判』2018|オランダ、ロシア|原題:The Trial|123分
1930年モスクワ、8名の有識者が西側諸国と結託しクーデターを企てた疑いで裁判にかけられた。この、スターリンによる見せしめ裁判、いわゆる「産業党裁判」を撮影したアーカイヴ・フィルムに、スターリンの台頭に熱狂する群衆の映像が加えられ再構成されたアーカイヴ映画は、権力がいかに人を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を誕生させるか描き出す。
『アウステルリッツ』2016|ドイツ|原題:Austerlitz|94分
第二次世界大戦中にホロコーストで多くのユダヤ人が虐殺された元強制収容所——— 戦後75年、記憶を社会で共有し未来へ繋げる試みはツーリズムと化していた。私たちは自らの過去にどのように触れたらよいのだろうか。ドイツ人小説家・W.G.ゼーバルト著書「アウステルリッツ」より着想を得て製作した、ダーク・ツーリズムのオブザベーショナル映画。